50/50(「バーチャルマラソンランナーの走行記」改題)

50代でサブ50を目指す元サブスリーランナーのブログ。達成確率は50/50(フィフティ・フィフティ)?

2018, 戌年のShoe Dog達(2)

あっという間に今年も1/12が終わり、2月に入った。

2月に入ると東京はこうなる。

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(2/1出勤時に撮影)

しばらくすると、和光のウィンドウディスプレイも東京マラソン仕様になるだろう。

出場される皆さんの検討をお祈りする。

自分も当日はここに来るのだが、出場でも応援でもなくオフィスに缶詰で仕事だ。毎年同じ時期に発生する業務なので東京マラソンと重なる(それでいながら今回の東京マラソンの抽選にも申込んでいたが)。

東京マラソンが近づいたということは、東京ハーフマラソンも近づいたということだ。今年は中止にしようかとも考えたが、せっかくここまで続けてきたので開催することにした。ほとんど告知もしなかったので、ひっそりとやろう。自分はハーフは断念して10kmの部になるだろう。

 

さて、前回の続きに移ろう。

前回はNIKEのシューズのことばかり書いてしまったが、今回は匠のシューズから始める。

 

日本のSHOE DOG、三村 “匠”仁司氏

 

勝手にミドルネームを付けてしまったが、日本のスポーツシューズ界において匠といえば三村仁司氏だということに異論を挟む人は少ないだろう。ランニングシューズと書かずにスポーツシューズと書いたが、本当に色々なスポーツ選手のシューズに関わっているようだ。ウィキペディアによれば、

陸上競技にとどまらず、野球、サッカー、テニス、バレーボール、バスケットボール、ボクシング、モータースポーツ近代五種など多岐にわたる競技のシューズを手がける。君原健二瀬古利彦谷口浩美森下広一高橋尚子有森裕子野口みずきイチロー長谷川穂積尾崎好美小崎まり青木宣親内川聖一香川真司、木﨑良子などのシューズ製作を担当した。

ということだ。

三村氏は2009年アシックスを退社後に、シューズ工房「M.Lab(ミムラボ)」を設立し、翌2010年にはアディダスと専属契約をする。ランニングシューズに「匠」シリーズが展開された。そして、2017年春にアディダスとの契約を解消し、2018年1月1日にニューバランスの専属アドバイザーへの就任が報じられた。自分は見無かったが、箱根駅伝では三村氏が登場するニューバランスのCMが流されたようだ。


FEARLESSLY INDEPENDENT SINCE 1906 三村仁司篇(60秒)

真偽のほどは分からないが、アディダスとの契約解消は三村氏がアディダスのBOOSTフォームに納得していなかったのが原因という話もある。

さて、ニューバランスからはどんなシューズが出て来るのだろうか。

楽しみだ。

 

自分が三村氏のことを知ったのはいつだったか思い出せないが、テレビでオリンピック選手のシューズを作っている方として紹介されているのを観た時だ。その時はまだアシックスの社員としてだったので2009年以前のことだ。おそらく、そのような番組が放送されていたことを考えるとオリンピックイヤーなので、2004年のアテネか2000年のシドニー辺りではないかと思う。

その後、三村氏(正確には「匠」)の名前を聞いたのは、2014年の9月にasics store tokyoに足の測定と購入に行った時のことだ。この時は2015年の1月に家族で横田基地で開催されるフロストバイトレースに出ようとしていた時だった。レース用のシューズを持っていなかったので、ちゃんと計測してもらって購入しようと思ったのだ。

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(この頃の着地のデータはもろにヒールストライク)

かつてトライアスロンをやっていた時、ランではアシックスのシューズを履いて気に入っており、次に買う時もアシックスと決めていた。履いていたシューズはバルセロナオリンピックの大会ロゴが踵側面に印刷されていたので、1992年のシューズだ。シュータンが無いというか、センターで別れていて左右のアッパーに付いている変わったタイプだった。バルセロナオリンピックロゴと一緒にJAPANの文字も入っていたとても軽いレースシューズだったので、ターサーJAPANだったのだろうか?確認しようとネットで色々検索して見たが見つからない。このシューズの後にasicsから出たトライアスロン用のランシューズ、T3というのも履いたが、断然バルセロナモデルの方が良かった。

そんな訳で2014年9月にasics store tokyoに行った時もそれに近いモデルがあれば良いなと思ったのだが、以前履いていたものが何であったのかも判明せず購入したのはターサージール3だった。足の計測から店員さんが薦めるサイズより0.5cm小さいものを購入した。以前履いていたものが足にぴったりでそれも気に入っていたのだ(そのサイズ選択が間違いであることを知ったのはもっと後になってからだ)。

このシューズの購入時に店員さんがシューズの性能を説明している際に「うちもアディダスのタクミに負ける訳にはいきませんから」というようなことを言っていた。しかし、自分はその時はまだあまりランニングシューズのことをよく分かっていなかったので、単にアディダスにタクミというシューズがあるんだなと思っただけだった。それがアシックスを退社してアディダスと専属契約した三村氏が携わるtakumiシリーズを指しているのだとは全く分からなかったのだ。

ここで買ったターサージールで出場する予定だったフロストバイトは、直前に父が他界し出場どころではなくなってしまった。

そして、代わりに自分一人でハーフマラソンを走ったのが、東京ハーフマラソンの始まりだ。

marathon.hatenablog.jp

この東京ハーフマラソンとその後に走った北野マラソンでターサージール3を使ったが、やはりサイズがキツすぎたようでその後ずっと靴箱で眠ることになってしまった(その後オークションで売却)。

遅ればせながらやっとシューズの適正サイズを理解したので、最初のリアルマラソンレース(実際には2008年に一度つくばマラソンに出ていたが)に向けてシューズを購入した。

それがadiZERO takumi sen BOOST(初代)だった。これも購入前に試走したかったので、会社帰りにadidas RUN BASEに行って同シューズを借りて皇居の周りを走った。

アウトソール(Continental製)の特性か?路面にから離れる時に少し貼り付くような粘着性を感じたというのが印象だ。残念ながら期待したBOOSTの効果は感じられなかった。

marathon.hatenablog.jp

とはいうものの、この時の記事を読むと一周とはいえそこそこのペースで走れていたし、特に悪いところもなかったのでこのシューズでレースに挑むことになった。

結果、本番のレースではサブスリーで走ることができ、それ以来昨年11月のつくばマラソンの前まではレースはこのシューズで走っていた。

そして、つくばマラソンの前にズームフライを試してみたくなり、少々重いのは承知で使ってみたのだ。 

結局、自分は広告に弱いのかもしれない。

情けない。

いや、自分がこれで早く走れると思えるだけでも間違いなくプラスだ。

プラセボ効果大いに結構。

 

ヴェイパーフライは反則か?

さて、果たしてそのズームフライ、ズームヴェイパーフライに組み込まれたプレートはプラセボだけでなく、どれだけの助力になるのだろう。

ヴェイパーフライ4%は、どう割り出したか分からないがランニングエコノミーを4%高めると謳っている。4%が高いのか低いのかは置いておいて、それは反則には当たらないのだろうか?

 

IAAF(国際陸上連盟)の規則ではシューズについて以下のように定めているようだ。

Athletes may compete barefoot or with footware on one or both feet. The purpose of shoes for competition is to give protection and stability to the feet and firm grip on the ground. Such shes, however, must be constructed so as to give an athlete any unfair additional assistance, including by the incorporation of any technology which will give the wearer any unfair advantage. A shoe strap over the instep is permited. All types of shoes must approved by IAAF. 

「競技者は裸足もしくは片足か両足にシューズを履いて競技することができる。競技においてのシューズの目的は足の保護と安定性、地面をしっかりと掴むことである。シューズは着用者に不正な利益を与えるようないかなる技術的結合も含め、競技者に不正な付加的助力を与えるものであってはならない。甲のストラップは許可される。すべてのタイプの競技用靴は、IAAFによって承認されたものでなければならない。」ということになるだろう。

しかし、どこまでがunfair additional assistance(不正な付加的助力)にあたるのか明確に規定されてはいないようだ。さらにIAAFの承認というプロセスもないようなので、現実的には余程のアドバンテージを与えるような構造でない限りノーチェックということになっているようだ。

自分の考えでは、ズームヴェイパーフライのカーボンプレートに関しては「本来は黒、運用上は白」のような気がする。

本来は無しで競技した方が良いと思うのだが、これまでそういったものが無かったかは不明であるし(adidasもPRO PLATEというカーボンプレートを入れたシューズをハイレに提供し市販目前でやめたという噂もある)、これを黒とするのであれば、何がunfairと判定されるのかを明確にしなければならない。unfairなのはカーボンプレートの使用だとすれば、ではadidasのBOOSTフォームなら良いのか?既に多くのシューズが使っているEVAフォームは?ミズノのWAVEシリーズに搭載されているWAVE PLATEは良いのか?という疑問が生じる。

結局、これまで曖昧にしてきたことが問題だったということだと思う。IAAFがレギュレーションの制定を検討すべき良い機会だと思う。推進力なのか反発力なのか助力となるベクトルの基準とその制限値を設けるというのが単純に考えられる方法だろう。一方でそういった規制は技術の進歩を阻むという意見もあるかもしれない。しかし、今の野放しな状態のままでは、ランナーの競争なのかシューズの技術競争なのか分からなくなってしまう。技術開発もその規定内で如何に良いものを作るか(例えば同じ推進力でも筋肉や骨に与える負荷がより少ないとか、シューズ自体がより軽いとか)という方向にシフトして行けば良いと思うし、規定は公認競技に対してのものなので競技用とそれ以外(トレーニング用モデルや非公認競技用ファンラン、初心者モデルなど)を別に考えても良いのではないだろうか。

 

ランニングと骨

昨年からNHKでシリーズで放送されている「人体 神秘の巨大ネットワーク」が面白く毎回欠かさず観ている。この第3集「“骨”が出す!最高の若返り物質」はランナーにとっては特に興味深い内容だった。

この「人体」は人体に備わるメッセージ物質をやり取りするネットワークに着目したシリーズだが、第3集は骨。骨の中には骨るを造る「骨芽細胞」と骨を壊す「破骨細胞」があり、正常であればバランスよく働いている。これらの細胞の活動を促すメッセージ物質があり、その一つスクレロスチンは「骨を造るのをやめよう」というメッセージを発する。このスクレロスチンは骨に掛かる衝撃が少ないと発生し「骨芽細胞」を減らして骨の生産をやめさせてしまう。つまり骨に衝撃が掛からない生活を続けていると骨粗鬆症になる危険性があるのだ。ランニングは適度な衝撃を骨に加え、このスクレロスチンの発生を減らすのに効果的だという。自転車や水泳ももちろん運動としては効果的だが、スクレロスチンの抑制ということに関しては骨への衝撃が少ないようだ。

また「骨芽細胞」は骨を造るだけでなく、記憶力や免疫力を上げるホルモンを出しているということも分かってきている。骨に衝撃を加える運動は骨を正常に保つだけでなく、記憶力や免疫力を上げる効果もあるのだ。

さて、そうなるとやはりランニングシューズもあまり衝撃吸収性を高め過ぎない方が、良いのかもしれない。ただし、裸足やベアフット系のランニングシューズは、ちゃんと衝撃を吸収するフォームで走れないと過度な衝撃が加わることになり危険だと思っている。特にアスファルトで舗装された道を走るのであれば、昔人類が裸足で走っていた時以上の体と走り方が要求されるということになるのだから。

 

2018年のShoe Dog達

これからどんなシューズが出てくるのだろうか。

一つは品薄状態が続いているズームヴァイパーフライのようなプレート入り、あるいは厚底のシューズと同じコンセプトのものが他のメーカーからも出てくる可能性はある。

一方、厚底と対極をなすベアフット系は『陸王』のヒットで再度ブームとなるのだろうか。

また、ニューバランスはどんな三村モデルを出してくるのだろうか。

楽しみな戌年になりそうだ。

 

そんなことを考えるよりも、先ずは少しでも走らないと腹の周りに余分なものが付き始めてしまったようだ。

 

 

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