東京ハーフマラソン / あと57.805km

もうフルの記録更新は難しかろうと、未挑戦のウルトラに逃避する50代ランナーのブログ。

マラソン大会の収支と参加費

一昨日、twitter(しばらく使っていなかったが、最近少し使い出した)で名古屋ウィメンズマラソン 2021の参加費のアップに驚きのツイートが散見された。

確かに前回2020年の参加費が13,850円(一般枠)で、今回2021年が26,000円(一般枠)なので1.9倍近くアップしている。もちろん、これはコロナ下の開催ということで参加人数を絞り(22,000人→11,000人+若干名)、感染対策に掛かる費用も勘案した結果の金額のようだ。ざっくり言うと、人数半分で参加費は倍ということになる。

これを「高い」と捉えるか否かはその人次第だが(今回はコロナ対策によるもので納得している人が多いように見えるが)、そもそもマラソン大会はそんなに利益が出るものではない、いや、むしろ赤字で大会継続を断念していった大会も1つや2つではなかったというのが僕の認識だ。

これをきっかけ「マラソン大会の収支って実際のところどうなの?」を少しだけ調べてみた。

 

ネットで検索すると、マラソン大会のいくつかはその収支報告をネット上で公開していることが分かる。

そこでいくつかを調べて一覧にしてみた。

最初は収支を載せようとしたが、監査をする訳ではないので支出の部は省くことにした。

大抵は支出の部に「繰越金」があり、それが次年度の収入の部に算入されている。つまり、繰越金が実際の収入−支出でプラスになった分だ。支出の他の項目(運営費や役員費等)には「報酬」や委託先の「利益」に相当するものが含まれているはずだが、それは大会運営に必要なものなのでプラス要素とは考えないことにし、収入の内訳と繰越金(収支プラス分)だけをピックアップしてみた。

尚、なるべく新しい年度のものをピックアップしたが、コロナの影響で中止になった年度(それでも報告されているものがいくつかあった。逆に中止でも返金はしないが故に載せていると思われるものもあった)は除外した。

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各大会のソース:2019板橋Cityマラソン(東京・荒川市民マラソン)決算報告第37回佐倉朝日健康マラソン大会決算報告第26回福知山マラソン 歳入決算・歳出決算いわきサンシャインマラソン 平成 29 年度収支決算報告について世界遺産姫路城マラソン 2019(第 5 回) 事業報告

表は収入における参加費の割合が高い順に並べたのだが、板橋Cityの81%から姫路城の28%まで実に差が大きい。

僕は感覚的に参加費が50%位で、残りの50%を補助金と協賛費で賄っている大会が多いのではないかと漠然と思っていたのだが、ネットで簡単に検索できたものはそうではなかった。

収入の構成比は、その大会の開催目的と環境要因によって変わってくるのだろう。観光客誘致を主な目的に自治体主導で行われるものは自治体の補助金・負担金のウェイトが上がるだろうし、うまく協賛社が付いてくれればその分補助金は減らせるはずだ。観光客誘致が地域にどれだけの経済効果をもたらしているか分からないが、大会期間以外にも効果が波及しているようであれば大会も継続してゆく可能性は高くなる。逆に参加費のウェイトが高い大会は、参加者の満足度を高く維持することが大会存続のポイントかも知れない。

例に上げた大会はいずれも繰越金を出して収支上はプラスになっているが、補助金や協賛費が拠出側にとって納得できるものになっているかどうかが重要だ。特に協賛費はスポンサー企業内でどう判断されているのか、こうしたイベントの協賛は効果の数値的な判断が難しく、昨今は企業内部だけでなくステークホルダーへの説明にも苦慮するのではないだろうか。*1

 

今回、収支報告書からマラソン大会の台所事情を見てみようとしたが、実際のところはそれぞれの大会の補助金、協賛費を拠出している自治体、スポンサーの拠出に対する効果の判断如何になる。

もし、拠出が負荷になっているとするといずれは大会の廃止か参加費の値上げということにならざるを得ないだろう。

参加する側は参加費が高くなって(その金額では)出たくなければ出なければ良いのであって、「高い」という感想は良いのだが「高すぎる」という批判や「安くすべき」という要求(バリューエンジニアリングやコストカットの要求も)は結果的に主催者、協賛者側に対して負荷を強要するような意味にもなってしまう。

その金額でも出たいという人だけがエントリーするようになれば、エントリーの倍率も下がって良いかも知れない。

参加費の値上げを奨励している訳ではないが(金銭的に余裕がある訳でもない)、人気大会の参加費が上がることでマラソン大会参加費の相場感が変わり*2、他の無理して開催してきた(けど値上げしたら参加者集まらない)大会にとっても参加費アップの機会になるかも知れない。

もちろん、参加する側としては参加費は安いに越したことはないが、誰かが無理をしている状態があるのだとしたら、参加費の改定というのも必要だと思う。綺麗事だけで言うのではなく、それで大会が存続できるのであれば。

 

*1:昔、スポーツイベントの企画・運営の仕事に携わったことがあるので、この辺の厳しさは想像できる。その大会はテレビの放映があったので、タイム(番組提供)やスポットのCM換算である程度の資料は作っていたが、それもないとすると、いや、今ではネットの拡散を指標にするのだろうか。

*2:最初にヴェイパーフライが25,920円と発表された時、誰が買うんだ?と思ったが、今ではレースシューズならそれ位出してもという感覚ではないだろうか。もちろん、ヴェイパーにそれだけの性能があったのだが、全体的に相場が上がった気がする。