最初に断っておくが、このエントリーの主旨はワクチン接種を勧めるものでも、やめた方が良いというものでもない。
ワクチン接種の順番が自分にも番が回ってきたところで、いろいろ情報を整理しながら接種するか否か考えている。
少し前まではあまり考えずに当然接種すると思っていたが、ちょっと冷静に考えてみることは悪くないというか重要だと思った。
まず前提として、
- 社会全体で見れば、接種率が上がるほど当面の感染のリスクが下がることは大きな利益であると認識している。
- 接種に関するトンデモなデマを信じている訳ではない。
その上で、ワクチン接種の是非について下記の整理で考えてみた。
- アナフィラキシーなど接種から短時間で起こる副反応について
- mRNAという新しいワクチンについて
- 短期間に起こる死亡について
1の副反応については、重篤なものではなく短期に回復するものであればあまり気にしていないというのが正直なところだ。それで免疫抗体ができるのであれば受け入れられる。
2の新しいワクチンに対する信頼性という面は、正直分からない。
mRNAワクチンに関しては(ウイルスベクターワクチンは一旦除外)治験のプロセスが通常とは異なるのも事実(10年以上研究はされているようだが)で、中長期的リスクの評価は誰にも出来ない。分かるって言う人がいたら、(肯否定の別に寄らず)それはおかしいと疑った方が良いと思っている。
ということで今回考えたのは、3つめの死亡についてだ。
ワクチン接種後に死亡した例が350件以上(接種開始から6/18まで)もあるということでちゃんと危険度を認識しておこうと思ったのだ。
もちろん、この350件はワクチン接種との因果関係が認められたものではないし、そもそも特定が不可能なものが多い。でも、一旦、最大限の危険度という意味で、接種した人に占める死亡者の数(死亡率)と、コロナが原因で死亡した人の率を比べてみることは出来そうだ。
すごく大雑把だが、打たないでコロナによって死亡する率と接種して短期間のうちに死に至る率(ただし、ワクチンが原因とは特定できない)の比較だ。
ワクチンの接種は65歳以上と医療従事者他以外はまだ進んでいない状況なので実際に比較できるのは65歳以上となる。
コロナ起因の死亡者数、ワクチン接種後の死亡者数、人口を年代別に表にしてみると次のようになった。
コロナ起因の死亡者数は10歳刻みのデータしか見つからなかったので、65~69歳の数は単純に60歳代の半分とした。
やはり、65歳以上の高齢者においては圧倒的にワクチン接種の方が死亡率が低くなる。
しかし、あくまでも65歳以上のワクチン接種後の死亡率をそのまま当て嵌めた場合の話だが、50歳代については微妙なライン、というかほぼ打っても打たなくても同じと言って良いくらいだ。
となると、中長期的な安全性が確認されたとは言い切れないワクチンを接種しなくても良いという考え方も出来るし、逆に危険度が変わらないのであれば接種して少しでも感染防止に努めた方が良いという考え方もある。また、ワクチンパスポートなど打たなかった場合の今後の生活上の不自由さというのもあるかも知れない(打たないことへの差別はあってはならないが、打たない人との接触を避けたいという権利もあって然るべきだと思う)。
ただし、これは接種後の死亡が全てワクチンが原因であった場合のことだ。少なくとも全てが関連するということは無いだろう(=ワクチン接種後の死亡率は実際はもっと低い)。一括りにした65歳以上よりは50歳代の死亡率は下がると考えるのも楽観的過ぎるということもないだろう。
別の角度ではデルタ株等の変異型の影響はまだ未知数で、ワクチン未接種の若年層の発症、重症化(死亡も含めて)に影響が出るのか、現在のmRNAワクチンが変異種にどれだけ有効なのかという未知の要素もたくさんある。
明後日で56歳となる自分には、なかなか判断が難しい。