年末に本屋で時間を潰している時にふと目に入った本があった。
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」という本だ。
手にとってみると、1日1人の仕事や人生におけるモットーや座右の銘のような文章が1ページにまとめられている。
僕はこれまで○○さん(特定の分野で成功を収めた人)のビジネス書とか半世紀のようなものを読んだことがない。ついでにいうと戦国武将や幕末の志士の誰かに傾倒することもない。そういう人のようにはなれないし、置かれた環境も違うしと思ってしまうので興味がないのだ。もちろん、その人のようになれということではなく、そのエッセンスの中で自分に役立つことを取り入れたりすれば良いのだし、環境は違っても考え方は同じだったり応用出来たりするのだから、読んだり学んだりすることは充分に価値があることだとは分かってはいるつもりだ。それでも読まないのは、きっと人から何か言われてやるのが好きではないからかもしれない。
ただ、今これを書きながら気付いたが、例外的にスポーツ選手の自著や人物伝のようなものは興味を持って読んだものがあった。直近では大迫選手のものも読んだし、ロードバイクに乗っていた頃はランス・アームストロング、トライアスロンについてはデイブ・スコット、テニスはビヨン・ボルグがパッと思いついた。きっと、何か上達の秘訣みたいなものが見つかるかも知れないというのが読むに至った理由だろう(仕事よりも趣味の方の向上心が高いということか)。いずれにしろ、どれもその秘訣を見つけて上達した記憶はないが。
少し話がそれてしまったが、そんな僕にもこの「365人の仕事の教科書」は1人の話がたった1ページで読めてしまうというところがとっつきやすいと思た。しかも日記のようにページのタイトル部分に1月1日から日付が記されているので、ちょうど年初に読み始めるの持ってこいの本だった(もちろん、それを意識して年末近くに出版されたのだろう)。という訳で、これを購入して1日1ページづつ読むことにした。
せっかくなので、このブログにも1週間ごとにその週に読んだなかで気になったものについて触れて行くことにしようと思う。
昨日で1/1〜1/7迄の1週間が終わったので第1週分を書いてみるが、その前にランニングのことを。
昨年12/20のレース以降は腑抜けた状態で、元旦から昨日までの7日間もほとんどが緩くて短いJOG。
4/2 10kmナチュラルビルドアップ、2kmダウンJOG
4/3 5kmJOG
4/4 4.8kmJOG、5.0kmJOG、3.4kmJOG
最長距離が10kmという状況。
何か目標を設けないとなかなかやる気になれない。レースはあまり現実的ではないので、タイムとか距離とかで設定しようか。
さて、冒頭に書いた書籍の方だが昨日までに読んだのは、
1/1 稲盛和夫(京セラ名誉会長)
1/2 吉良節子(土光敏夫元秘書)
1/3 道場六三郎(銀座ろくさん亭主人)
1/4 上田惇生(ものつくり大学教授)
1/6 小田真弓(和倉温泉 加賀谷女将)
1/7 佐藤可士和(クリエイティブディレクター)
の7人(敬称略、肩書きは本書による)。
読む前は、この中では佐藤可士和さんがどんなことを言っているのだろうと最も興味があったのだが、実際に読んでみてここで取り上げようと思ったのは、スタートを飾る稲盛和夫さんだった。「生き方」を始め多くの著書や私塾で自らの理念や経営哲学の啓蒙活動をされているが、「知恵の蔵をひらく」という話だった。
この宇宙のどこかに「知恵の蔵(真理の蔵)」ともいうべき場所があって、私は自分でも気がつかないうちに、その蔵に蓄えたれた「叡智」を、新しい発想やひらめきとして、その都度引き出してきた。
汲めども尽きない「叡智の井戸」、それは宇宙、または神が蔵している普遍の真理のようなもので。その叡智を授けられたことで、人類は技術を進歩させ、文明を発達させることができた。
と書かれている。ここだけ読むと、ひらめきは天啓と思っておられるように思えるが、続く文章では、ご自身や他の研究者、それにエジゾンを例にとり、この「叡智」を受けるのは、必死になって研究に打ち込んだり、並外れた凄まじい研鑽を重ねた結果与えられると思われているようだ。
そして、その「知恵の蔵」がひらかれる瞬間が研究者たちにいわせると、
「創造」の瞬間とは、人知れず努力を重ねている研究生活のさなかに、ふとした休息をとった瞬間であったり、時には就寝中の夢の中であったりするそうです。
と書かれている。
これは、デフォルト・モード・ネットワークだと思った。
ゆったりとしたジョギングなどであまり余計なことを考えずに走っているような時に、脳はデフォルト・モード・ネットワークという状態にあって、ひらめきのようなものが生まれやすいという説だ。
自分の記事を検索してみると過去にも2回ほど、これに触れていた。
最近、ゆるJOGばかりだが、これはこれで意味があるということか。
いや、その前に必死の努力や並外れた研鑽がなければ意味がないな。
事実、何もひらめいていないから。