東京ハーフマラソン / あと57.805km

GARMINのGPSランニングウォッチで走る50代マラソンランナーの雑記。サブ3、エイジレコードを維持するのが目標。

ウルトラの走り方で考えたこと(ペースとエネルギー問題)

来週の日曜日、5/23に開催予定だった100kmのウルトラマラソン「柴又100K」に出場するつもりでトレーニングをしてきた。

このブログのタイトルに付けている「あと57.805km」というのも100kmでのフルマラソン以降の距離のことで、フルマラソンまでは走ったがあと57.805km走って100kmを完走するという意味だ。

結局、「柴又100K」は11月に延期となってしまったが(でも中止ではなかった)、ここまでのトレーニングで分かったことがあるので書いておこうと思う。

 

 

ウルトラ(ロング)の練習で分かったこと

ウルトラマラソンに挑戦するにあたって、必要になるのは当然ロングの練習だ。

フルマラソンなら30kmの練習がロングの定番だと思うが、ウルトラの場合はやはりウルトラ(=42.195km以上)の練習が必要だろう。岩本能史さんの「完全攻略ウルトラマラソン練習帳」(通称「赤本」)ではレベル別にフルマラソンサブ4.5~3.5で60km、サブ3で70kmのレースペース走がソツケン(レースの4週前に組まれた実戦想定メニュー)になっている。もちろん、それ以前にもフルマラソン以上のロング走(各週1ロング、1スピードが基本)が組まれている。

僕も今回3回(だけか!)フルマラソン超の練習をしたが、そこで分かったことが2つある。

 

ウルトラのペース

僕の直近(といっても1年半前の2019年11月だが)のフルマラソンの記録はネットで2時間57分27秒だ。ウルトラの目標タイムはフルの2.8~3倍(前述の「赤本」によれば2.7倍を目指す)と言われている。2時間57分27秒を単純に3時間として当てはめると、8時間24分~9時間になる(「赤本」計算では8時間6分)。ということで一旦目標を8時間30分においてみようと思った(走ってはいるものの練習積んでいないし加齢もある)。ただし、100kmなので途中でエイドでのドロップバッグの受け取りや補給、トイレなどのロスタイムとして合計20分差し引いて8時間10分=490分を100kmで割ってキロ4分54秒というペースを算定した。

まず1回目のロング走では、ちょっと欲を出してキロ4分45秒あたりで走ってみた。後で考えるとこのペースではエイドで30分時間とってもサブ8出来てしまう。もちろん、ペースが速すぎて45km過ぎで潰れ残りは惰性で60kmまで歩くように走った。

marathon.hatenablog.jp

次のロング走はペースを落としてキロ4分50秒で76km走ろうと思って走ったが、まんまと失敗した。

marathon.hatenablog.jp

二度も失敗したので、流石に目標が高すぎることを認識した。

もっとペースを落とさないと完走すら出来ないだろう。

本当はサブ9を目指したいところではあるが、走っている間はサブ9ペース(キロ5分24秒)でエイドでのロスタイムはそれに加算される(つまりレースタイムとしてはサブ9出来ない)という設定で潰れずに50km走れるのかを試してみることにした。本当は70km走りたかったが割ける時間の問題とレースまでの日数を考えるとテーパー期になっていたので45km超の距離でのペース維持を目標にした。

結果は、後に書くことにして、もうひとつの課題について先に書くことにする。

 

ウルトラのエネルギー問題

もうひとつの課題、それはエネルギー問題だ。

荒くなった呼吸で排出されるCO2…ではなく、供給の方の問題だ。

上記の2回のロング走で気付いたのは、僕のランニングのエネルギーは3時間しか持たないことだ。3時間を過ぎたあたりで一度辛くなり45kmまではなんとか持ち堪えるが、その後潰れて復活出来なくなってしまう。

潰れる時は足が動かなくなるが、翌日に筋肉痛になったかというと否だ。つまり、筋肉が耐えられなかったというよりも、エネルギーの不足で脳がやめろと指示を出した公算が高い。

もちろん、無補給で走っていた訳ではなく10km毎にエナジージェルなどを補給しながら走った。フルマラソンの大会でも、補給食はポケットに7つ位は携帯して補給している。

でも、それでは足りなかったのではないか?

最初のロングの前に一応大雑把に計算したつもりではあったが、もう一度計算し直してみた。

 

1kgを1km運ぶ仕事量が1kcalなので、体重49kg(後述するが軽い)×100kmで約4900kcalのエネルギーが純粋に走る分として必要となる。

エネルギー源としては歩行で糖質と脂質がおおよそ1対1(鍋倉賢治さんの「マラソンランナーへの道」による)なので、低速のウルトラでは糖質の割合が50〜55%(「赤本」による)となる。

100kmのウルトラに必要なエネルギー4900kcalのうち50%が糖質からと考えると2450kcalが必要だ。「赤本」では肝臓と下半身の筋肉に貯蔵された糖質量は330g前後で仮にこの半分を走るのに使えるとすると165gだ。脂質は1gあたり4kcalなので165g×4kcal=660kcalは体内貯蔵分が使える。

つまり、2450kcal(必要な糖質)-660kcal(体内貯蔵使用分)=1790kcalを補給しなくてはならない。エナジージェルが大体1個100kcal位なので18個分補給する必要がある。

50kmのロング走ならその半分の895kcalでエネジージェル9個分、スタート後5km毎の摂取でちょうど50kmを走り切れる量だ。

 

そもそも僕は168cmで朝食前の計測で48~49kgしかない。脂肪も少ないが、筋肉量はもっと少ない。つまり体に蓄えられるエネルギーが少ないので、通常の計算で求められる摂取すべきエネルギー量よりも多く摂取することが必要なのではないかとも推察した。

前述した計算では体内貯蔵分の糖質が330g前後という一般的な数字とランニングに使えるのがその半分という計算だったが、僕も場合はもう少し外部からの摂取が必要かもしれない。それにもっと食べるようにして体にもエネルギーを蓄える必要も認識した。筋肉量も増やしたいが、筋トレしてもあまり筋肥大しない体質?のようだし(昔は週に3回はジムでウェイトをやっていたこともあった)、その分体重は重くなり必要エネルギーも増える。そもそも筋トレの時間も取れない(家での短時間の自重筋トレでは筋肥大の効果はあまり望めない)。

 

3時間、つまりフルマラソンまではこれまでの摂取量でギリギリなんとか足りていたが、体内貯蔵分はちょうどフルで使い切っていたのだと思う。

僕はマラソンのゴール後数時間は食欲が湧かない。ビールで乾杯という気にもならないのだ。いや、祝杯は挙げたいのだが体が受け付けてくれないというのが正確なところだ。おそらく、低血糖状態になっているのだ。これではつまらないので、レース後もちゃんと体内貯蔵分をある程度残せるような補給をして行くようにしたい。

とは言っても、エナジージェルは1回1個の摂取が理想的*1というか現実的なので、ジェルのカロリー量をよく確認し100kcal以上はマストより高カロリーなものをセレクトしたい。

 

ということで、最後のロング走では5km毎に補給食100kcal以上を摂取する計画で走ることにした(そもそも「赤本」には5km毎に補給せよと書いてあるのだ)。

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結果は

キロ5分25秒(5:30~5:20を目安にした)のペース、5km毎の補給で45kmを超えて50kmまで崩れずに走り、ゴール後に食事を取ることを目標に最後のロング走を走った。距離は足りないが、自分なりのソツケンだ。

結果は合格だ。

marathon.hatenablog.jp

ペースの抑制とエネルギー補給の追加、同時に行ったのでどちらの効果なのか、両方揃わないとダメなのかは分からない。

しかし、少なくとも今回程度のエネルギー補給は必要だったのだろう。3時間を過ぎてもガクッと辛くなるポイントはなかったし、走った後も食欲はしっかりあった。

そうなると、ペースはもうちょっと早くても良いんじゃないか、エイドのロスタイムを含めてサブ9を狙いにいっても良いんじゃないかと欲が出てきてしまう。

半分しか走っていないんだから、ちょっと飛躍し過ぎるって話だけど。

*1:封を切ったものを中途半端に食べて残りを手に持って走りたくない。ベタベタするのも嫌だ。